ビニールハウス農作業が楽になる乗り物、台車、椅子、靴とは?

椅子としても使える農業用台車 仕事
農業用カート(農業用台車)

100メートル×100メートル程度であれば、乳幼児や高齢者でもない限りそれほど苦痛に感じる広さではありません。
しかも、ビニールハウス内での移動は大急ぎで走る必要はまったくなく徒歩で行います。
歩きでも坂道だとヘトヘトになったりすることがありますが、ハウスの地面は基本的にまっ平です。
万が一、手の中からトマトがこぼれ落ちたとしても、ゴロゴロと転がっていくことはなく、簡単に拾い上げられます。
8時間働いたときの移動距離を万歩計等で測ったわけではありませんが、歩き疲れた記憶がまったくないので、おそらく5キロいってないでしょう。

「スーパーのアルバイトとほとんど変わらない移動距離なら、便利な乗り物なんて不要では?」
と思うかもしれませんが、乗り物に対して農業従事者が期待するのは機動力ではなく作業効率です。

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農作業には立ち仕事と座り仕事がある

農業の立ち仕事と座り仕事
立ち仕事また座り仕事をしている農家の姿

基本的に、農作業は黙々と手足を動かす肉体労働です。営業や接客と違い、口を動かすことはほとんどありません。
その肉体労働は大きく、2本の足でしっかり立って行う仕事と地面や椅子などに座って行う仕事の2種類に分けられます。

中腰で前かがみになって稲の苗を手で植え付けている農家の方々を、テレビで何度も見たからでしょうか。
私はアルバイトをはじめる前までずっと、農作業を立ち仕事だと思っていました。
「朝から晩まで中腰の態勢で、はたして腰は持つのか」
と少々不安を抱いていたのですが、実際に働いてみると腰痛に苦しめられることは1度もなかったです。

では、
「農作業は楽な仕事なのか」
というと、それも少し違う気がします。
私個人の考えとしては、育てる作物の種類や作業のやり方で体にかかる負荷は変わると思います。

たとえば、根菜類、葉菜類、果菜類での比較です。
ジャガイモやサトイモのような根菜類は地中に埋まっているため、しゃがみ込んだり立膝をついたりして作業するケースが多くなります。
ホウレンソウやキャベツのような葉菜類は地上数十センチ以内の場所で顔を出すため、根菜類と同様の作業姿勢ですが、掘ったり探したりする必要はないので体にかかる負担は根菜類よりも幾分軽いです。
トマトやキュウリのような果菜類では、地上から数十、数百センチ以上伸びた茎に果実がなるため、直立あるいは中腰での作業が多くなります。

農作業による腰痛、膝痛緩和のヒントは乗用玩具?

タイヤ付き作業椅子の見本
乳幼児が遊びを目的として乗る乗用玩具(おもちゃカー)

この間のゴールデンウイークに、自宅の庭で今年初の草むしりを行いました。
休まず連続で作業できるのは、1時間が限度ですね。
一仕事終えて立つ瞬間の腰が、とにかく痛くて痛くて・・・。
そのときの作業姿勢は、野球のキャッチャーがするようなしゃがみ込みです。

やろうと思えば、立ち膝やあぐらでもできるでしょう。
ただこれだと、服が汚れたりひざを痛めたりします。
ブルーシートやクッションを敷けば少しはましになりそうですが、移動するたびにこれらも動かさなければならず、作業性はあまりいいとはいえません。
そこで、あると便利なのが幼児用の乗用玩具に似た形状の“タイヤ付き作業椅子”です。

まだ自動車や自転車のように名称がはっきりしていないようで、ガーデンチェア、キャスター付きチェア、腰掛け/移動椅子(カート・作業車・台車)など呼び方はメーカーによって違います。
形状の共通点は、縦30センチ、横20センチ、厚さ5センチくらいの台の下に、直径10センチくらいのタイヤが4つ付いていることです。
機能としては、作業するときにはただの椅子。移動するときには、ペダルなし自転車のように足で地面を蹴って前進、後進をします。
ですから、使い方はほぼ、オフィスチェアと同じととらえて問題ないでしょう。これでも農作業は可能だと思いますが、座席の高さがタイヤ付き作業椅子の倍以上なので、手が届きにくい地面スレスレでの作業には不向きです。

背の低い人が高いところで作業するには?

高所農作業が楽になる靴
厚底下駄(厚底草履)

私の身長は約170センチです。
腕をめいっぱい上に伸ばすとだいたい2mになり、これが私の作業範囲の限度となります。
トマトを育てるのに使う支柱の高さもこのくらいありました。
何時間も腕を伸ばしっぱなしで作業するのはかなりきついです。当然、体に大きな負荷がかかると作業の効率が落ちます。
「なら、支柱をもっと下げればいいのでは」
と思われるかもしれませんが、そうすると今度は収穫量に影響が出てきます。

そこで、自分の背より高い位置での作業を求められたときには、ふつう、脚立や梯子もしくは踏み台を使います。
数本~数十本しか植わっていない家庭菜園のような狭い土地なら、これらの道具で十分でしょう。
でも、私が働いていた農地の広さはその100倍以上です。
脚立に上って下りて移動してを、1日に何百何千も繰り返していたら時間がかかってしかたありません。

ではどうしたのかというと、厚底サンダルのような底が分厚い特別な農業用の“靴”を使っていました。
お店では、『農ゲタ』また『アグリ下駄』あるいは『アルミゲタ』の名で販売されています。
私のアルバイト先で貸してくれたのは、発泡スチロール製の厚底靴です。
形は少し丸みを帯びた直方体で、足の裏を乗せるところに鼻緒がついています。足の親指と人差し指の間に鼻緒を挟んで歩くことになるので、使うときには足袋ソックス(2本指ソックス)が必須となります。

発泡スチロール製の厚底靴は、まず軽いのがいいですね。走ることはできませんが、2時間連続で歩いてもそれほど疲れません。
それと、意外に丈夫です。1年半のアルバイト期間中、同じ厚底靴をずっと使っていました。

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