お見合いでもらった写真が7年前のものだった話

恋愛・結婚

お見合いでもらった写真が古すぎて、実際に会ったら全然違った…

スマホで気軽に写真を撮れる今、そんなことを感じる人はほとんどいないと思われます。
婚活やお見合いの場では、プロフィール写真が重要な役割を果たしますが、それが7年前のものだとどう思いますか?

これは私が実際に体験したお見合いでの話です。

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お見合い写真を受け取った瞬間の違和感

まだ二十代前半も前半だった頃、親戚の勧めで無理やりセッティングされたお見合いに行ったことがあった。
結婚なんて考えてもなかったし、今時お見合いって!と思っていたけれど、両親の強い勧めもあって、仕方なくすることにした。

お見合いが決まった時、まず最初に送られてきたのは相手の釣書
(「釣書(つりがき)」とは、主に日本において、お見合いや縁談の際に用いられる書類で
当事者のプロフィールや家族構成、学歴、職業、趣味、健康状態などが記載されたものです。)

緊張しながら封筒を開けてみると、そこにあったのは爽やかに微笑む一枚の写真…

ではなく。
ほぼ風景。真ん中にスーツを着た男性が立っている。
…ちょっと、小さくてよくわかんないし…古くない?
どう見ても違和感しかない。

しかし、このお見合いは決定事項である。

「この人、本当に今もこの見た目なのか?」という疑念もふとよぎる。
よし!前向きに考えよう!
「実際に会えば、印象は変わるかもしれないし」と自分に言い聞かせるようにし、当日を迎えるのであった。

準備は整った。ついに運命の瞬間が目の前に。

いよいよお見合い当日。
私は鏡の前で深呼吸を繰り返していた。
はっきり言って、緊張しすぎて吐きそうだった。
親戚に頼まれたとはいえ、もしかしたらこの出会いが人生を大きく変えるかもしれないと考えると、まるで戦場に赴くような気持ちである。

服装もバッチリ、メイクは及第点!そして笑顔!!
今日のために、私はしっかりと準備を整えてきたのだ。
「いざ、勝負!」という気持ちで玄関を出る。

相手はどんな人なんだろうか?
写真は古そうだったけれど、実際に会ってみたら違うかもしれないし、何よりも相手の中身が大切だ。
だから、見た目だけにとらわれず、冷静に状況を見極めるつもりだ。

指定された場所に到着すると、そこはたいそう立派な旧家だった。
たのもう!とか言ってみたい気持ちになる、大きな門。
圧倒されていると、通用口から親戚のおばさんが顔を出した。
そのまま中の応接間に案内され、フッカフカのソファーに座り、お茶を出された。  

しばらく待っていると、旧家のご主人と、スーツを着た男性が入ってきた。
ん?
この人、誰???

「はじめまして。今日はよろしくお願いします」

控えめに言って、写真とはだいぶ違う人だが、もしかしなくても、現場の雰囲気的に、こちらの方がおおおお見合い相手でいらっしゃいますか!?
そんな動揺を顔にはたぶん出さず、私も笑顔で挨拶をした。

ドライブで見極めろ!

お見合い当日の次なるステージは、ドライブだ。
「後は若いもんだけで」なんて、昔のドラマのような展開だ。
皆に見送られ、行かない選択肢はない。

初対面の相手と一緒にドライブなんて、緊張するに決まっている。
でも、このドライブは相手を見極める絶好のチャンスだと思って、気を引き締めた。  

車に乗り込むと、まずは相手の運転技術を確認。
「運転が荒い人だとちょっと怖いな…」と思っていたが、意外にもスムーズで安心した。 

道中の会話も少しずつ弾んで、緊張感がほぐれてきたので、私はついに切り出すことにした。
そういえば…この前もらった写真、結構古そうだったけど、いつのものなんですか?

軽く笑顔を浮かべながら、なるべく気まずくならないように気を遣いながら尋ねた。
彼は少し戸惑った様子で

あ、あれ?えっと…確かに古いよね。実はあれ、7年前の写真なんだ」と正直に答えた。

自分の写真は撮らないから、あれしかないんだと説明も付け加えて。
7年前かー!!と思わず心の中で叫びながらも、ここは冷静に。

「なるほど、7年前か…。あの写真、若く見えたからびっくりしちゃいましたよ」
と笑って返す。

7年前の写真には驚かされたけど、こうして実際に会って話をすることで、人となりが少しずつ見えてきた気がする。

ドライブも到着地が見えてきた。
ここは…鹿がたくさんいる公園。
彼は鹿が珍しいらしく、楽しそうにはしゃいでいる。
「せっかくだし、登ってみようか」と、彼が指をさす先には緑が多い山。
ええい!!こうなったら登ってやるよ!!パンプスで!!  

かくして、お見合いは終盤へ突入するのであった。

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お断りする?それとも受け入れる?最後の決断

お見合いの時間が終わりに近づき、いよいよ決断の時が迫ってきた。
「この人ともう一度会いたいか?」それとも、「ここでお断りするべきか?」
内心の葛藤が次第に大きくなっていく。

実際に会ってみたら悪い人ではなかったし、会話もそこそこ楽しめた。
でも、どこかピンと来るものがなかった。
「これって本当に大事な出会いなのか?」という疑問が、ずっと頭を離れなかった。

写真なんて撮ろうと思えば、今の時代、携帯でいつでもすぐ撮れるはずだ。
しかも、最近の携帯なら加工だって簡単にできる。
それなのに、どうして7年前の写真を使ったんだろう?
その違和感がずっと引っかかっていた。

もちろん写真だけで人を判断するべきではないけど、それでも現代ではある程度の誠実さが写真にも表れるものだ。

断るのは簡単だ。

ただ「今回はご縁がなかったということで」と伝えれば済む。
でも、相手にどれだけ期待させてしまったのか、考えると少し心が重くなる。

とはいえ、ここで曖昧な態度を取るのはお互いのためにならない。
「この人とはこれ以上進めるべきではない」と自分の心がそう言っている。
だから、迷いながらもお断りすることが一番良い選択だと思う。  

お断りの決断は、自分にとっても勇気が必要なものだった。
でも、ここで無理に進めてしまっても、お互いにとって良い結果にはならない。

「申し訳ないけれど、今回はお断りしよう」

そう心の中で決めた瞬間、少し気持ちが軽くなった。
会話の最後に、私は相手に丁寧にお礼を言った。
今日は楽しい時間を過ごせましたが、今回はご縁がなかったということで…
と、穏やかに伝える。

相手も驚いた様子は見せず、理解してくれたようだった。
きっと、相手も少しは感じ取っていたのかもしれない。

お見合いは人生の旅路の一部

お断りの選択は難しいものだ。
でも、無理に進めず、自分の直感に従った結果である。
これから先、きっとまた別の出会いがあるはずだし、その時こそ本当に自分に合った人と
出会えるのかもしれない。  

お見合いの席を後にして、私は少しだけ胸を張って歩いていた。
この決断は自分にとって必要な一歩だったと感じる。
相手には申し訳ない気持ちもあるが、これで良かったのだと自分に言い聞かせた。

人生の出会いには、タイミングや相性がある。
今回の出会いは、そのタイミングではなかった。
 
でも、この経験を次に生かせるよう、前向きに進んでいこう!
そう思いながら、私は新しい一歩を踏み出した。

著者
ハンドルネーム:ともんじょ
出身:和歌山
学歴:短大卒
職歴:会社員
趣味:漫画を読む、愛犬と遊ぶ、旅行

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