Webライターの仕事は、クライアントの依頼内容を読むところからはじまります。
まずは主題。
次に文字数と報酬と納期。
それと記事構成、注意・禁止事項、納品方法。
詳細な指示の多い案件だと、全容を掴むのに数十分かかるかもしれません。
でも、それは最初だけ。
2記事、3記事と続けて同案件また類似案件を受注する場合は省けます。
Webライターの仕事で時間がかかるのはこれ以外。
情報収集、プロット、執筆、チェック・・・。
記事作成の基本的な手順
1記事当たりの文字数は200~10000。
1000文字以内ならいきなり書き始めるのもいいですが、2000文字以上ではそれなりに準備が必要です。
私が中学の授業で使っていた最新国語便覧(浜島書店)によると、作業工程は七つ。
1.主題の決定
2.材料の収集と取捨選択
3.構成と構想
4.下書き
5.推敲
6.清書
7.点検
主題
執筆する記事の概要あるいはタイトル(仮)。
Webライター自身で決めるケースはほとんどありません。
自由記事案件はごくわずかです。
クライアントの多くは、何か売りたいものや伝えたいことがあるから外部に記事作成を依頼します。
ただ、タイトルの作成必須はよくあります。
15~30文字なので、作業は数分で終えたいところです。
パソコンやスマホで下書きするなら、清書と点検は不要です。
手書きの原稿用紙で納品を求めるクライアントはまずいません。
材料の収集と取捨選択にかかる時間は10~60分
食事、家具、洋服などモノを作るときには材料が必要です。
これは、記事も同じ。
いくつかの材料を組み合わせて形にします。
記事の材料は、ことば。
まさに、今この場所で表現しているのはすべてことばです。
現代だと、情報のほうが馴染みやすいかもしれません。
情報は、既知情報と未知情報の2種類に分けられます。
記事は、既知情報の多い主題が書きやすいです。
例えば、漫画の『DB(ドラゴンボール)』と『鬼滅(鬼滅の刃)』。
DBは全話ほぼ読みましたが、鬼滅の刃は最初の1話しか読んでいません。
DBはちょっと頭に思い浮かべるだけで、孫悟空、かめはめ波、天下一武道会など材料が次々に出てきます。
それに対して、鬼滅はバトルものというざっくりとしたイメージだけです。
主題により手持ちの既知情報だけでは、クライアントが指定する文字数に満たないことがあります。
そんなときは、未知情報の収集が不可欠です。
インターネットを使ったとしても、最低十数分とかかるでしょう。
さらにそこから内容を理解して、必要なものだけを取り上げるとなるとかなりの時間を要します。
構成と構想にかかる時間は3~10分
食事で例えると、焼く、煮る、茹でる、盛り付けるなどの調理方法。
あるいはプロットや作り方、マニュアル、テンプレート。
記事の全体的な骨組み。
記事構成(フレームワーク)は予め用意されていることが多いです。
オーソドックスな三段型。
知名度の高い起承転結。
ビジネス向けのPREP法やTAPS法など20種類以上あります。
クライアントの指示がなければ、Webライター自身でその中から選びます。
私は三段型(序論・本論・結論)+時系列型を好んで使います。
序論(導入文)は問題提起。この記事なら、「記事作成のどこに時間がかかるか」です。
本論は記事作成に関する説明。理解しやすいように、記事を書く順番で示しています。
結論は問題提起に対する解答や提案です。
記事は小説とは違います。
楽しませるものではなく、説明するものです。
複雑、奇抜なプロットは不要。
この作業は10分以内を目指しましょう。
下書きにかかる時間は500文字10分
執筆。
Webライターにとっての本番。
料理開始です。
考えながら書くのではなく、考えをまとめてから一気に書くのがいい、という意見を書物やブログ等で目にします。
人に話すときも、考えながら話すより、前もって準備しておいたメモを見ながら話すほうが、相手に内容を正確に伝えられます。
このときのための、情報収集やプロットです。
すぐに書けないのであれば、もう一度情報収集からやり直しましょう。
時系列に沿って書くと比較的筆が進みやすいです。
1.朝6時、目覚まし時計で目が覚める
2.トイレで用を済ませる
3.寝巻から普段着に着替える
4.洗面所で顔を洗う
5.キッチンで朝食の準備する
・・・
序論200文字、本論A500文字、本論B500文字、本論C500文字、結論300文字の計2000文字の記事を作ると仮定します。
序論:4分
本論A:10分
本論B:10分
本論C:10分
結論:6分
このくらいの時間配分で終われば、まずまずといったところです。
推敲にかかる時間は5~30分
すいこう、と読むようです。
下書きをさまざまな角度から検討して、加除修正を行い、文章の質を高めます。
ようするにチェックや手直しです。
子供のころ原稿用紙に鉛筆で書いた作文を、学校の先生に赤字修正してもらったのを思い出します。
記事の良し悪しを最終的に決めるのは、読者です。
自信をもって公開しても、アクセスが思うように伸びないことはよくあります。
手抜きは論外ですが、あまり根を詰めるのもどうでしょう。
ミスや欠点は、自分よりも他人のほうが見つけやすいといいます。
本来、この作業はクライアントに任せたほうがいい気がします。
そうはいっても、誤字脱字は最低限注意が必要。
これを見過ごすと、Webライターとしての資質を問われます。
また、「、」を打つ場所などにより読者が誤解しないよう、文法の使い方にも気を配りたいです。
記事を1秒でも速く書き終えるには
私が読む小説の作家は、一時期、毎月本を出版していました。
400文字×400ページの本だと合計16万文字です。
月で割ると1日当たり5000文字以上となります。
このくらい書ける人を速筆作家と呼ぶのでしょう。
私が目指すのは速筆作家ではなく速筆ライターです。
遅筆から脱出したくて、『記事を早く書くコツ』のようなタイトルの記事をいくつか読んだわけですが、
・タイピングのスキルを上げる
・とにかく数をこなす
・時間を決めて集中して書く
などどれも当たり前のことばかりでピンときません。
そこで考え方を変え、自分のどこに問題があるのか検証したくてこの記事を書きました。
結果、材料の取捨選択が緩いことが判明。
何を捨てて何を使い、どこにどのように配置するかはっきりしないから、下書きがなかなか進まなかったのです。
まず自分の弱点を知り克服する、これが速筆ライターへの第一歩ではないでしょうか。
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