稲、野菜、果樹、花きなど農家が育てる植物にはどんな種類が?

耕種農業の作物一覧表 仕事
農家が食用などを目的に育てる植物の種類(日本標準産業分類を参考に作成)

前回の記事で、農業には5つの業種があると説明しました。
耕種農業、畜産農業、管理補助的経済活動、農業サービス業、園芸サービス業です。
私のバイト先では、トマトを中心にキャベツ、ジャガイモなどの野菜を作っていたので耕種農業に該当します。

ここで一つ農家の定義について話しておきます。
農家とは、「経営耕地面積が10a以上の農業を営む世帯または農作物販売金額が15万円以上ある世帯」のことをいいます。
経営耕地は、田んぼや畑などの農地のことです。
10a(アール)は1000㎡。
私の月収は15万円以上だったので、バイト先は面積、販売金額のどちらも農家としての条件を満たしていることになります。

さらに農家を細かく分類すると、耕種農業を営む農家は耕種農家です。牛や豚などの動物を営む農家は畜産農家と呼ばれます。
耕種(こうしゅ)という言葉は、日常の生活でもテレビでも耳にしません。農業関係の学校ではおそらく学ぶことになるのでしょうが。
農家についてわかりやすく説明するときには、コメ農家や野菜農家のほうがピンときやすいと思います。

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農作物の基本は食用、観賞用、工芸用の三つ

食用・観賞用・工芸用の作物
左上は食用作物(野菜)、右上は観賞用作物(花き)、下は工芸用作物(綿)

農作物(のうさくもつ又のうさくぶつ)と農産物(のうさんぶつ)。
どちらも似たような言葉の響きで、どっちを使うのが正しいのか迷ってしまいます。
ただ、どちらもバイト中に使うことはないので、参考程度に認知しておけば十分です。

基本的に、農産物は牛や豚などの畜産物も含みます。
農業で生産した物はすべて農産物で、農作物はその中の耕種農業で生産した物に限られます。

行政では耕種農業を八つの項目に分けていますが、用途の違いで三つに分類できます。
食べるための作物、観るための作物、加工するための作物です。

花きとは、美観の創出や維持あるいは緑化などを目的として栽培される植物のことです。
イチョウ、ケヤキなどの街路樹や芝など葉メインの植物も含むことから、花(はな)ではなく花き(かき)という言葉を使っているのでしょう。
食用作物は野菜屋さんやスーパーで販売するのが一般的ですが、観賞用作物は花屋さんやホームセンターで販売されています。

工芸用作物は、油脂、甘味料、繊維、薬などの原料を目的として栽培される植物のことです。
コウゾやミツマタは和紙に使います。ハーブは香料。染料で使う藍もこの中に含まれます。
サトウキビやテンサイは甘味糖料用で食品の一種です。ようするに、食用でも加工を前提とした作物はこちらに含まれます。

食用作物は、米やダイコン、ジャガイモなどの原料単体でも食べられるのを目的とした植物のことです。
鑑賞用作物は娯楽、工芸用作物は人の暮らしをよりよくするためのもの。
どちらも、日常の生活維持に不可欠な必須条件ではありません。
それに対して食用作物は人の生命活動に絶対欠かせず、最も重要なものとなります。

米や麦を含む穀物とは具体的に何なの?

穀物である米、麦、豆、ソバ
左上は米、右上は小麦、左下は大豆、右下は蕎麦

学校の給食で、麦の混じった白米を食べたことはありませんか。
麦ごはんは、白米に茶色い線が1本入った形をしています。
残念ながら、ここ数十年は食べた記憶がありません。
麦はご飯として食べるよりも、パンやうどんなどに加工したほうがより美味しく感じられます。

そんな事情もあって、米と麦は同じ仲間というイメージが強いです。
では、落花生や大豆、小豆、インゲン豆などの豆類はどうでしょう。
米と同じ仲間と言われても、どこか納得できないものがあります。

今いった、米、大麦や小麦などの麦類、豆類に、アワやソバなどの雑穀(ざっこく)を加えて穀物(こくもつ)といいます。
いずれの作物の共通点は、乾燥子実(かんぞうしじつ)を食用とすることです。

乾燥子実・・・。
噂でも耳にしたことのない言葉ですが、ようするに植物の種のことです。
ダイコンやニンジンは根。キャベツやレタスは葉。トマトやキュウリは実。
実の中には種も含まれていますが、別にこれを目的として食べるわけではないので穀物には含まれません。

野菜を含まない木本性植物とは?

草本性植物と木本性植物
草本性植物(メロン)と木本性植物(オレンジ)

「草と木の違いは何?」と質問されたら、どのように答えますか。

「大きいのが木で、小さいのが草」「木は長寿で、草は短命」「がっしりとしているのが木で、なよなよしているのが草」などいろいろな見方があると思います。

農業としてではなく生物として捉えると、植物は草と木(また樹木)に二分できます。
草が草本(そうほん)と呼ばれるのに対し、木は木本(もくほん)と呼ばれます。
木本類に分類される植物だから木本性植物
ミカン、リンゴ、ブドウ、カキ、ナシなどの果樹はすべて木本性植物です。

構造的にみると、形成層があるのが木で、ないのが草です。
この形成層と呼ばれる組織は成長に伴い肥大化し幹を構成します。
草には形成層がないので、丸太のように太くも固くもならず、ある程度伸びると地面に向かって倒れてしまいます。

何十、何百年と生きられる木に対して、草の寿命は一年草、二年草など数年単位です。
日本の場合、ほとんどの草は春に芽吹いて夏に生い茂り秋に実を付け冬になると枯れてしまいます。

果樹以外の食用作物は、ハウス栽培の作物など一部を除いて1年周期で種まきや収穫などの農作業を繰り返します。
よって、基本的に草です。
ちなみに、シメジやシイタケなどのキノコ類は農業としては野菜に分類されていますが、生物学的には菌類で植物ではないとされています。

語尾が″しょ″の「ばれいしょ」「かんしょ」とは?

ジャガイモとサツマイモ
ジャガイモ(ばれいしょ)とサツマイモ(かんしょ)

ばれいしょ(馬鈴薯)はジャガイモ、かんしょ(甘藷)はサツマイモの別名です。
「だったら、最初からジャガイモ、サツマイモと書けばいいじゃないか」と思うところですが、どうもこれは行政や学会での都合?こだわり?みたいなもので、一部の農家や店舗を除きそう多く使われている言葉ではありません。

ジャガイモ、サツマイモのどちらもイモ類の一種です。
この仲間には、サトイモやコンニャクイモ、ナガイモ、ヤマノイモなどがあります。
イモは根や地下茎の一部のため、野菜の根菜類に分類されます。
にもかかわらず、ジャガイモとサツマイモだけなぜ別枠なのでしょうか。

考えられるのは、米と同じように主食として取り扱われていた時代があったから?
その名残みたいなものが、今も続いているのかもしれません。

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