農家とバイト・パートの初顔合わせ、呼び方、話し方、付き合い方

水平で広い田んぼ 仕事
地平線が見えるほど大きな水田

面接日に話をしたのは、求人の募集を出した農業者(のうぎょうしゃ。農業に従事している人)の1人だけでした。
他の農業者とは、アルバイト初日に顔合わせを行いました。
全体の人数は、私を含めて5人(半年後に4人)です。
面接を担当した農業者(40代男性)。その農業者の妻。他、20代女性のアルバイトが2名。
このうちの1名は私との入れ替わりで、初めて出会ったひと月後に辞めました。
残り1名もその5か月後に退職。この人の代わりとして、40代男性の叔母が入ってきました。

この5人はあくまでビニールハウス内の作業人員です。
ちゃんとした挨拶はしていませんが、他に40代男性の両親が畑でジャガイモやキャベツなどの野菜を育てていました。

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アルバイトから農家のみなさんへの呼び方

農家とバイト・パートの名前の呼び方
農家とバイト・パートの名前の呼び方

初めて会った日、簡単に自己紹介を行いました。
こういうとき、何を喋ったらいいのかじつに悩むものです。
同世代が集う部活のようなものであれば、趣味だったり特技だったりといくらでも話すことがありますが、年齢はもちろん普通の会社とはひと味違う農家の集まりとなれば、独りよがりに自分の生い立ちを語るわけにもいきません。
結局、自分の名前に「よろしくお願いします」の一言を付け加えただけだったと思います。
私への他の方々の紹介は、40代男性が代表して行いました。

ここまで面接してくれた人のことを、農家、農業者あるいは40代男性とあやふやな書き方をしてきましたが、ようするにこの農家における代表者です。
求人票の事業所名には、『名字+農園』と書いてあったので、「社長」と呼んでしまうのはいささか不自然です。かといって、「園長」では保育園や幼稚園の総責任者に見えてしまいます。
なので、実際の現場では他のアルバイトを見習って「名字+さん」で呼んでいました。
私から他の女性アルバイトへも同様のさん付けです。
問題は、代表者の配偶者の呼び方となります。

代表者と同じ「名字+さん」では、同じ場所にいたとき、声をかけられたほうとしては、どっちが呼ばれているのかわからなくなってしまいます。
アルバイトからすると、代表者の配偶者は目上の人です。「お嫁さん」と呼んでしまうと、周りからは私のほうが目上で年上に見えてしまいます。「奥様」では、まるでどこかの洋服店や宝石店の店員みたいです。
そこで、「奥さん」と呼んでいたわけですが、これもご主人との関係上、主従を連想させるので、本来であればあまりよろしくないのでしょう。

残りの代表者の叔母にあたる人ですが、困ったことに名字が代表者と同じでした。
他のアルバイトに相談しようにもやめてしまい、かといって本人に「なんて呼んだらいいですか」と聞くのもなんか変です。
悩んだ挙句、最終的にとった選択式はファーストネーム「名前+さん」で呼ぶことでした。

40以上も年の離れた人に対してファーストネームで呼んだのは、後にも先にもこの1度だけです。私のじつの叔母に対しても使ったことはありません。
それほど目上の人に対してファーストネームで呼ぶのには抵抗があったわけですが、何度も繰り返し呼んでいると不思議と馴染んでくるものです。
呼ばれるほうの立場としての感想は、人それぞれでしょう。不快な表情を浮かべる人もいるかもしれませんがん、少なくとも私が一緒に仕事をした人は微塵も嫌がっているようには見えませんでした。

農業の現場における挨拶とルール

農業の挨拶とルール
農家とのコミュニケーションの第一歩は挨拶

「おやようごうざいます」「お疲れ様でした」などの挨拶について、代表者から何度か指導を受けたことがあります。
私の一般的な常識では「偶然出会ったときにすればいい」、というものでした。
でも、私が働いていた農家の代表者は違い「朝、仕事場に到着したら作業を始める前に、まず俺のほうまで挨拶に来なさい」というのです。

仕事内容はほぼ毎日同じです。
出勤時間がそれぞれ違うという事情もあって、朝礼のようなものは特にありません。
作業開始の5分前であっても、仕事場に到着したらすぐに農作業をスタートできます。
この状況下で、『広いビニールハウスの中からわざわざ代表者を探して挨拶をする必要があるのか』ということです。
私は指導を受けるまで”ずっとない“と思っていました。
仕事の終了時刻が過ぎたときも、代表者が近くにいなければ特に何も告げずに黙って帰っていました。
これは、今までの経験則からくるものです。
学校に来た学生が、先生に挨拶をするためだけにわざわざ職員室へと向かうでしょうか。
会社も同じで、「おはようございます」の一言を言うために社長室の扉を開けたりはしないでしょう。

ただ、これは自分が常に下の立場にいたからこその思考です。
自らが責任ある立場に立ったらどうなるか考えてみました。
確かに、自分の土地を、アルバイトとはいえ赤の他人が好き勝手に出入りしていたら気持ちのいいものではないでしょう。
それに、農家にはタイムカードがありません。アルバイトが挨拶に来なければ、代表者にはアルバイトがいつ始めていつ帰ったのか知る術がないのです。
また、もし私がビニールハウスの中のどこかで倒れていたらどうなるのでしょう。
挨拶せずに帰るのを習慣にしていたら、代表者はそのことに気が付かないかもしれません。
翌日来たら体が冷たくなっていた、なんてことになったら責任を取らされるのは代表者となります。

理由を直接確認したわけではありませんが、ようするに、挨拶しないのが気に入らないのではなく、アルバイトが事故を起こすことなくちゃんと来てちゃんと帰ったことを、責任ある立場としてしっかり把握しておきたいということだと思うのです。

農業のバイトの歓迎会、送別会、忘年会

農業の歓迎会、送別会、忘年会
農業のバイト・パートには歓迎会や送別会、忘年会がある

1年半のバイトで、合計4回開いてくれました。
最初の歓迎会は、入社の1か月後。冒頭で話したバイト女性の送別会も兼ねていました。

バイト先の代表者のご自宅は、就業場所から数百メートルの場所に立っています。
その建物で代表者の妻の手料理が振る舞われたと思うかもしれませんが、そのような農家ならではのお食事会は1度もなく、普通の企業の歓迎会と同じように飲食店で行われました。

1日の仕事が終わった後、一旦、各自帰宅して私服に着替えます。
以降、現地集合で、時間はだいたい夕方6時半から8時までの1時間半ほど。
飲んだり食ったり喋ったりと、このあたりは本当に普通の歓迎会です。

こういうお食事会、飲み会は、人により得手不得手があります。
私はどちらかといえば苦手な口で、仕事をしているほうがマシと考えてしまうのですが、顔や言葉には絶対出しません。
もし働いている人が20人、30人と多ければ断ることも視野に入れますが、今回はわずか4、5人です。
特別な理由でもないかぎり辞退は避け、できるだけ積極的に参加したほうがいいでしょう。

歓迎会や忘年会はみんなで分け合いあいと楽しむものですが、くれぐれも飲みすぎないように。
新人が二日酔いで歓迎会の翌日の仕事を休むというのは、たとえバイトでも、印象があまりよろしくありません。

農業者同士の上下関係や言葉遣い

農家の言葉遣い
どれだけ親しくなっても農家と話をするときは丁寧語が無難

私よりもみんな年上だったので、言葉遣いについては話す相手の立場に関係なく「ですます調」の丁寧語で統一しました。
ただ、自分より年下だったとしても、ため口は使わなかったように思います。
これは農業とは関係なく、私のポリシーのようなもので、何が良くて何が悪いのかというのは特にありません。
人それぞれの考え方でいいのではないでしょうか。

バイト女性二人と私以外の人たちは、ため口を使っていました。
そもそも、代表者とその奥さんと叔母の関係は家族なので当然です。
赤の他人である私に対しても「それ取ってください」ではなく「それ取って」といった話し方で、他人だからバイトだからという特別扱いはなく、平等に接してくれました。

私からすると、上司という印象はまったくなく、近所のおじさん、おばさんといった感じです。
聞きたいことがあれば、気兼ねなくいつでも質問できます。
頼みごとがあれば、遠慮なく申し込めます。

まったく壁がないといえば嘘になりますが、少なくとも大中の企業で働いているたときよりもリラックスした気持ちでコミュニケーションがとれていたと思います。

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