ゲストハウス住み込みスタッフ体験記

仕事宿泊業

〜旅するように暮らす楽しさと、リアルを感じた2ヶ月間〜

皆さんは、「旅するように暮らしたい」そう思ったことはありませんか?

旅行好きの方なら、きっと一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
今回は、そんな「旅するように暮らす生活」をちょっぴり体験した、ゲストハウスの住み込みスタッフをした時の経験について書いていこうと思います。

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ゲストハウスってなに?

・ゲストハウスとは、お風呂やトイレ、洗面台などを共有で使う簡易宿のこと。
・一般的にホテルなどより宿泊料金が安い。
・部屋は基本的にドミトリータイプで他の宿泊客と相部屋。
・2段ベッドが一部屋にいくつかあって、ベッドにカーテンがかけられている形態が多い。
・部屋に泊まるというよりベッドを一晩借りるイメージ。
・ゲストハウスによっては個室だったりカプセルホテルのような空間だったり、その形態はさまざま。

宿のコンセプトは(シンプルだったり、和風だったり、古民家だったり、レトロだったり、サウナや温泉があったりetc.)各ゲストハウスによって異なります。それにより、安く泊まれるとは言っても意外に泊まる楽しみがある宿泊形態です。

また、ベッド(部屋)以外が基本的に共有スペースのため、自然とスタッフや他の宿泊客との交流が多くなります。そのため、宿泊費を節約したい人以外に、旅先でのコミュニケーションを求める方からも人気です。

ゲストハウスで働くことを決めた理由

私は、学生の頃から旅行が好きで、おしゃれな宿に安く泊まれるためゲストハウスを多く利用していました。ある時、社会人になってから行った旅行先のゲストハウスで「ヘルパースタッフ募集」の張り紙を見かけました。

住み込みで働きながら空いた時間はその土地を自由に観光できることに魅力を感じ、気になっていました。しかし、その時は仕事をしていたので「いつかできたらいいなー」くらいに思っていました。

しかし、仕事を転職するタイミングで「また仕事をし始めたらもうゲストハウスで働く機会はないかもしれない」と考え、ついに念願だったゲストハウスの住み込みスタッフに応募したのです。

応募したのは箱根のとあるゲストハウスでした。

求人は「ヤドグラシ」というゲストハウスやホテルのフリアコスタッフ募集サイトで見つけました。(「フリアコ」については後ほど説明!)

決め手は英語が必須ではないことでした。

ゲストハウスは海外ゲストも多いのですが、私にはそのような英語力はありません。ずっとゲストハウスで働いてみたいと思い、定期的に求人を見ていましたが、英会話が求められるものばかりでした。そんな私にとって、英語が応募条件にない求人はうってつけだったのです。

私が応募したのは、泊まる場所と食事が無料で提供され、代わりに1日何時間か掃除などの宿の手伝いをする「フリーアコモデーション(通称フリアコ)」という無給スタッフでした。

まずはお試しで、ゲストハウスでの生活がどんなものか体験してみたかったので、短期間でも可能なフリアコスタッフに応募したのでした。

オンラインで面接をし、無事採用。そうして、私の2ヶ月間の箱根ゲストハウス生活がはじまりました。

ゲストハウスでの日々の過ごし方

私の典型的な1日を振り返ると、以下のような流れでした。

・7時半 起床
・8時 ゴミ出し、共有スペースの準備、朝食を食べながら予約の確認
・10〜13時 チェックアウト後の清掃
・14時 昼食(まかない)
・15時 夜まで観光
・19時 夕食(まかない)
・20時以降 入浴、洗濯、本を読んだり同じ部屋のスタッフと喋ったり
・22時 就寝


フリアコスタッフのシフトはまかないを食べる時間も含めて6時間でした。アルバイト・正社員スタッフは8時間。

朝番は8時から14時までで掃除がメインでしたが、夜番は16時から22時まででした。夜番の場合は、ゲストのチェックイン対応やゲストハウス内のバーでの飲み物づくりなどを担当しました。

私はほとんどが朝番でしたが、数回あった夜番の日はゲストとコミュニケーションを取る機会が増え、ゲストハウススタッフの醍醐味を感じられました。

ゲストハウスでの毎日は、掃除をして体を動かし、たくさんまかないを食べて寝る。他のスタッフやお客さんと交流し、仕事終わりや休日は思う存分観光する。来る前に思っていた通りの生活で、とても健康的に感じたし、充実した日々を過ごせていました。

一緒に働いていた個性豊かなスタッフたち

同時期に一緒に働いていたスタッフは20代〜40代でした。比較的若い印象ですが、他のゲストハウスでも働いているのは同じような年齢層だと思います。

アルバイトスタッフから正社員を目指す人や、私のように次の仕事までの繋ぎや羽伸ばしとしてフリアコスタッフをする人、自分のやりたいことをしながら色んなゲストハウスを転々とする人、長期休み中の大学生など、さまざまな人がいました。

私に英語能力はありませんでしたが、英語のみならず中国語・フランス語・ドイツ語などを話すスタッフが多数いて、海外ゲストが来て対応に困った時にはよく助けてもらっていました。

他にも趣味でピアノが弾けたり、ギターが弾けたり、絵が上手だったり、料理がうまかったり。本当に個性豊かなメンバーでした。留学・海外など色んな経験があって、仕事の能力もある人がたくさんいたので、話を聞かせてもらうことは非常に楽しく、刺激的な体験でした。

一緒に働いていて感じたのは、ゲストハウスで働く人はみんな自分の人生を積極的に行動しながら模索している、ということです。

繰り返しの毎日に疑問を感じ、何か他に自分にできることはないか考え、これがやってみたいと思ったら実際に行動してみる、そんな人たちの集まりだったように思います。

苦労したことと感じたリアル

これまでゲストハウスでスタッフをする良い面を書いてきましたが、中には「大変だな」と感じたこともありました。

無給であっても責任感が求められる

住み込み期間中にこんな出来事がありました。

私は用事があり、自分の自宅に戻らなければなりませんでした。しかしゲストハウスに戻る日に雪が降り、予定していた電車に乗れなくなってしまいました。その結果、翌日のシフトに間に合わなくなってしまったのです。

もちろん連絡はしましたが、その電話で「シフトに穴を開けられると困る!」と、予想していなかった語気の強さで怒られたのです。それに対し、「スタッフといえど、アルバイトでもない無給のフリアコスタッフにそんなに言うのだろうか?」と疑問を抱きました。

改善してほしい点を申し出ても、なかなか改善されない

私がいたゲストハウスでは、お酒だけでなく簡単な料理も提供していました。ところが繁忙期はバーでの料理が間に合わず、ゲストをかなり待たせることがありました。

ある時、オーナーや正社員の方に、他のスタッフが「このような状態なので、設備などを改善してもらえないか」と伝えている姿を見ました。しかし、私がいる2ヶ月の間で改善されたり、改善を検討している様子はありませんでした。

オーナーにも「設備を変えるにはお金がかかり今は難しい」などと考えがあったのだと思いますが、実際にゲストと相対するのはスタッフです。ゲストを待たせている姿を見てなんとかしたいと思っても、状況が変わらず不満を持つスタッフはかなりいました。

私は短期間のスタッフという立場もあって意見する事はありませんでしたが、もどかしい思いは同じように感じていました。

長く働くには向かない

ゲストハウスは一般的な会社と違い、1年以上働いている人はもうベテランとして扱われます。1年未満で辞める人が多く、人の入れ替わりが激しいためです。

フリアコスタッフは基本的に短期間なことが多いですが、ある程度の収入を得て働くアルバイトスタッフや、正社員スタッフもかなり入れ替わりがある印象でした。

なぜなら、やはり「お金」の問題が大きいと思います。

ゲストハウスによっても異なると思いますが、ゲストハウスの仕事はフリアコ、アルバイト、正社員関係なく思っている以上に大変です。特に繁忙期はかなり忙しいです。

しかし、賃金は普通にアルバイトした方が稼げるのでは?と思うくらいです。(今は改善されているかもしれません。)もちろんやりがいはあるのですが、長く続けていくと「お金」の問題は無視できませんよね。

加えて2つ目で述べたような不満などが蓄積し「ゲストハウスでぜひ働きたい!」「自分の得意分野や語学力などを活かして働きたい!」と思って働き始めても辞めていくスタッフを目撃しました。

最後に、経験を振り返って伝えたいこと

前述でゲストハウスで働くことのリアルな面も書きました。しかし、全体を見るとゲストハウスで住み込みスタッフができたことは、私にとって貴重な人生の体験で、楽しかった思い出です。

特に、自ら人生を開拓しようという意志を持った同世代の仲間と交流できたことは、若い時期の自分にとってとても大きな糧となりました

ゲストハウスで働きたいと考えている方は、ぜひデメリットなども踏まえて働くかどうかを検討してみてください。自分がゲストハウスで働いて何を得たいのか、目的・目標などをしっかり考えてから臨むといいと思います。

日本国内で語学力を試したい、ゲストハウスで暮らしながら自分の得意分野を磨きたい、宿泊費を節約して観光したい、普段出会えない人と交流したい、などなど。

私は特に目的なく「やってみたい!」という思いだけで、ゲストハウスでの2ヶ月間を過ごしました。それでも十分ですが、目的を考えることで私以上に、お金には変えがたい、次につながる経験を得ることができると思います。

考えた上で「やっぱり行きたい!」と思ったらぜひ、実行に移してみてください。日常生活や一般的な旅行ではできない体験が、あなたを待っているはずです。

この記事を読んで少しでも参考になる部分があれば幸いです!
最後までこのブログの記事をお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

あさぎ
出身:長野
学歴:短期大学卒業
職歴:金融
趣味:読書、ダイエット、ギター

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