【徹底解説】なぜ人事部は出世コースといわれるのか?現役人事が実体験をもとに徹底解説!

仕事

企業や組織には必ず出世コースが存在します。出世コースの代表格とされているのが人事部。しかし、噂話のように出回っている情報が本当に正しいのか?本記事では現役で人事部に所属している筆者が実体験をもとに解説していきます。

本記事を読むと、人事部が出世コースと言われる理由と実態を知ることができ、あなたのキャリア形成に役立てられます

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人事部の主な仕事内容

人事部が出世コースと言われる理由として、経営のコアな部分を任されていることが主な要因として考えられます。そこで主に人事部はどのような仕事を任されているのか紹介します。

・採用活動
・人材育成計画の立案と実行
・評価制度の運営・管理
・労務管理
・コンプライアンス対応
企業経営の3要素『ヒト・モノ・カネ』の”ヒト”を担っている部署なので経営陣と非常に密接な関係にあります。

採用活動

採用を任された人は”企業の顔”としての活動が期待されます。
理由として、外での活動量が比較的多いポジションになるためです。
例えば、人事担当者が企業HPで紹介されていたり、説明会で顔を出したりと企業の外で活動する機会が多くあります。近年ではSNSアカウントも運用している採用担当者も増えてきました。
採用活動を任された人は、企業の代表者として表に立つ機会が多いので、将来を期待される人・企業がアピールしたい人が抜擢されるケースがほとんどです。

人材育成計画の立案と実行

中長期的な経営目標を達成する為に、どのような人材が必要なのかを決めて計画を立案し育成する重要な役割を担っています。企業というのは人で成り立っているため、人材育成はとても重要なポイントです。
目標達成に必要なスキルを習得させる機会もありますが、経営陣が従業員に求めたい姿勢を学ぶ機会を提供する場合もあります。経営目標を実現するために経営陣の考えをしっかりと理解し、計画立案と実行に移していく力が人事担当者は必要です。
人事担当者は経営陣と話をする機会が多く期待される人物が任命されるのが一般的です。

評価制度の運営・管理

評価制度というのは従業員に対する経営陣からのメッセージにもなるため、評価制度の運営や管理を行う人物は知識・能力が必要で、”優秀な人物”が担当するのが望ましいです。
従業員のモチベーションにも大きな影響を与え、人件費という経営する上での大きなコストにも影響を与えるので、従業員目線・経営者目線の2つの視点が必要です。
そのため、視野が広い優秀な人物に人事というポジションを任せる傾向にあります。

労務管理

労務管理というのは地味な作業ですが重要な責任を負っています。労務管理は、労働時間の管理や休日の管理など給料に直結するような仕事です。
ミスをしてしまうと本来もらえるはずの給料が正しく支払われなかったり、必要のない手当を支払ってしまったりと、大きな問題に発展してしまいます。
知識や能力が必要ですが、丁寧に仕事をこなせる慎重さが求められるようなポジションです。労務管理は、感情や勢いに任せて仕事をするような人ではなく、知的で落ち着きのある人が任されるポジションです。

コンプライアンス対応

人事の仕事を取り巻く法律は、労働基準法・男女雇用機会均等法・最低賃金法・雇用保険法など多岐にわたります。士業からの確認も仰ぎながら、就業規則や労働契約書を作成して企業としてコンプライアンスを徹底する必要がある業務です。
もし違反などが発生すると企業イメージの下落や風評被害を受けるリスクがあります。そうならない為にも、優秀な人物を人事に配置しコンプライアンスの徹底をしていくことが期待されます。

人事部が出世コースといわれる理由

人事部が出世コースといわれる理由は、
・経営陣との距離が近いので、TOPの考えを身近で学べる
・社内全体の調整役の為、顔を覚えてもらいやすい
・仕事内容の影響力が大きく、従業員から頼られる
です。

それぞれの理由についてチェックしてみてください。

経営陣との距離が近いので、TOPの考えを身近で学べる

経営戦略に欠かせない人事戦略を担当するのが人事部です。
経営陣と直接会話をするタイミングが多く、考え方を身近で学びながら仕事を進めていくポジションなので、自然と視座が高くなります。
将来の幹部候補として期待されている従業員を人事部へ配置し、経営幹部に必要な視座や考え方を身につけてもらうのが会社の狙いです。

社内全体の調整役の為、顔を覚えてもらいやすい

経営者の考えを具現化するために社内全体の調整を行う機会が多くあります。
部署の垣根を越え横断的にコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくので、他部署の従業員からも顔を覚えられやすいポジションです。
その為、将来的に会社全体の舵取りを期待されているような人物が配置されやすい部署です。

仕事内容の影響力が大きく、従業員から頼られる

例えば、「うちの部署の人間が少ないから採用してもらえないか?」「扱いに困っている従業員がいるから何とかしてくれないか?」など相談を受けることもしばしばあります。頼られるケースがあった場合に相手の望むような形で答えを提供していると、自然と信頼関係が生まれ自分が困ったときにも助けてもらえるようになります。
将来、経営幹部を期待されているような人物がいざ経営幹部になったときに会社全体を動かせるように早い段階から信頼関係を構築させることが期待されています。

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人事部が出世コースといわれるが実態はどうなのか

ここからは、人事部の実態について解説していきます。

必ず全員が出世するわけではない

人事部といっても必ずしも全員が出世コースに乗るわけではありません。残念ながら出世しない人の方が多いのが現実です。
出世する人の特徴は、誰よりも前線に立ち、企画や戦略を立案したり表に出たりする人です。逆に事務的な仕事をこなす人は、目立たず名前があがりにくかったりします。
もちろん、仕事はどれも大切なので優劣はつけることができませんが、出世したい人は積極的に企画立案をするなど表に立つような仕事を選んでいきましょう。

メンタルケアは自分で行う

配属当初は次期エースとして期待されつつも、時間が経つにつれて出世コースのレールから外れていく人もいます。
理由は様々ありますが、よくあるケースとしてメンタルケアの難しさがあげられます。
人事というのは経営のコアな部分を任される仕事が多い代わりに、会社の裏側も見えてくるようなポジションです。また、会社を守るのか?従業員を守るのか?というような岐路に立った時に「会社を守る」という選択をしなければならない時もあります。
その為、葛藤することが多くあります。
仕事内容から生まれる葛藤に耐えることができないと出世コースに乗るような仕事を選べなくなってしまい、自然とレールから外れていく人もいます。
期待されるのは嬉しいことですが、“覚悟”が必要なポジションでもあります。

まずは自分の活躍よりも相手の活躍を願う器の大きさが必要

基本的に人事の仕事はお金を生む仕事ではありません。
どちらかというと、営業部のような直接お金を稼ぐ部署の人たちがもっと稼げるように“人”の部分でサポートするのが人事の仕事です。
将来を期待されている人が抜擢されやすいとは言われつつも、まずは相手をどうやったら活躍できるのかを一番に考える器量が求められます。
まずは相手を勝たせ、最後は自分も勝つ』という考え方で仕事ができる人が活躍する世界です。

まとめ

人事部の仕事内容は経営に密接的に関わる仕事が多い部署です。経営陣と近い距離で仕事をするケースが多く、将来期待されている人物が抜擢されやすいのが特徴です。
しかし、全員が出世コースに乗っている人とは限りません。経営のコアな部分を任され、やりがいもありますが、同時にプレッシャーも大きくかかってきます。
出世することが全てではありませんが、人事部を経て出世している人は、「まずは自分の活躍よりも相手の活躍を願う」という器量をもてるかどうかだと考えます。
もし、あなたが「人事部への異動」の辞令が降りたのなら、期待されていることを理解しつつも現実的に起こりえる問題も受け止めながら人事にという仕事に向き合ってほしいと願っています!

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

nWo大好き世代
出身:北海道
学歴:大卒
職歴:アミューズメント店舗運営⇒人事部
趣味:読書、料理、イメトレ

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