第二子妊娠を決めるまでの、私の心の葛藤と変化

家族育児

私はもともと一人っ子でした。
そのため、「子どもは一人で十分」という考えが自然と身についており、結婚して子どもを持ってからも、その気持ちは変わりませんでした。一人にたっぷりと愛情を注ぐことができるし、教育費や習い事、家族で過ごす時間などを考えると、その方が現実的だとも思っていたのです。

実際、第一子が生まれてからの生活は、想像以上に大変なものでした。慣れない育児に戸惑い、特に夜泣きや深夜の授乳には心身ともに疲れ果てました。毎日が睡眠不足で、家事も思うように進まず、自分の時間など皆無に等しい日々。
それでも、赤ちゃんの笑顔や成長を間近で感じることができたのは、何にも代えがたい喜びでした。
だからこそ、「この大変さをもう一度経験する勇気があるか」と自問したとき、すぐに「はい」とは言えなかったのです。

そんなある日、ふとした瞬間に不安がよぎりました。私は今35歳。もしこの先もう一度赤ちゃんを抱きたいと思ったときには、体力的にも年齢的にも難しくなっているかもしれない。時間には限りがあるという現実が、私の心を揺さぶりました

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夫の思いと向き合って

夫は結婚当初から、「子どもは二人欲しい」と希望を話していました。ただ、私の気持ちを尊重してくれて、「無理には勧めないよ」と、常に私のペースを大事にしてくれていたのです。

そんな夫に、私の迷いや不安、そして「本当にこのまま一人だけでいいのだろうか」という気持ちを素直に伝えたとき、彼は穏やかに微笑みながら話してくれました。
子どもがもう一人いたら、きっと兄弟で遊んだり、けんかしながらも助け合ったりするんじゃないかな。大人になってからも、親を思いやりながら、協力し合って生きていける存在になると思うよ。」

その言葉が、私の心にじんわりと染みわたりました。私には兄弟姉妹がいないため、その価値を実感することは難しかったのですが、夫の話を聞いて、「子どもたちにとって、きょうだいという存在は大きな意味を持つのかもしれない」と感じるようになったのです。

葛藤の中で見つけた答え

もちろん、気持ちだけでは決められない現実的な壁もありました。経済的な負担は確実に増えますし、年齢的にも体への影響は前回よりも大きくなることが予想されました。

それでも、「もう一度赤ちゃんを抱きたい」「子育ての尊い時間を、もう一度味わいたい」という気持ちが、少しずつ私の中で強くなっていきました。
第一子の成長を見守る中で、この子に兄弟姉妹という存在を与えてあげたいという思いも芽生えてきました。一人っ子の良さもありますが、きょうだいと過ごす日々の中で学べることもきっとあるはず。

私たち家族にとっての自然なかたちとは何かを考えたとき、もう一人を迎える未来が、心の中で徐々にリアルなものとして浮かび上がってきました。もちろん、子どもが二人になれば、さらに手がかかることはわかっています。でも、そのぶん家庭の中に笑い声が増え、きっとにぎやかで温かな時間が流れるのではないか、そんな未来を思い描けるようになったのです。

仕事と家庭、両立への不安

私は現在もフルタイムで働いています。

第一子出産後、職場に復帰したときは、仕事と育児の両立に苦労の連続でした。朝の支度から保育園の送り迎え、夕方からの家事、寝かしつけまで、分刻みのスケジュールで動いても時間は足りず、自分の時間は後回し。
それでも仕事をやめたくない、社会とつながりを持ち続けたいという思いもあり、毎日を全力で走り抜けてきました。

「この状態で、もう一人増えたら私はやっていけるのか」――そんな不安が常につきまといました。体力の問題だけでなく、職場でのキャリアや周囲の理解、子どもたちへの接し方も、すべてにバランスが求められます。
ですが、夫の積極的な協力や、職場の柔軟な体制、そして「完璧を目指さなくてもいい」と自分を許せるようになったことで、少しずつ前向きに考えられるようになっていきました。無理をしすぎず、助けを借りながらやっていく――そう考えるだけで、気持ちがぐっと楽になったのです。

第二子を迎えるという決断

悩んだ末、私たちは第二子を迎える決断をしました。

この決断にたどり着くまでには、時間もかかりましたし、迷いもたくさんありました。「これで本当にいいのか」と、自分の中で何度も問い直しました。でも、考え抜いたからこそ、自分で納得できる答えが出せたように思います。

現在は妊娠後期に入り、お腹の赤ちゃんの力強い動きを感じるたびに、命の尊さと家族の未来を実感しています。
不安がゼロというわけではありませんが、「この決断は間違っていなかった」と思える安心感が、今の私の支えになっています。

子育ては確かに大変です。
でも、それ以上に与えてくれる喜びや学びがたくさんあります。
第一子が教えてくれたその実感が、第二子を迎える勇気につながりました。
これから始まる新しい家族の形を楽しみに、できる準備を一つひとつ重ねながら、心穏やかに出産の日を待ちたいと思っています。

この記事を書いた人

あちゃ
出身:長野
学歴:高校卒業
職歴:一般企業
趣味:お菓子作り

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