日本の野菜農家が栽培する作物の種類を食べられる部分で分類!

野菜作農業における野菜の種類
代表的な日本の野菜を果菜類、葉茎菜類、根菜類、キノコ類で分類した一覧表
仕事農業

「野菜は健康にいい」「野菜をもっと食べよう」など、野菜は個人の好き嫌いに関係なくポジティブなイメージがあります。
そもそも野菜(やさい)とは何なの?ということですが、野菜の定義については民間だけでなく行政でもまちまちです。
特にジャガイモとサツマイモ、それにキノコ類は入ったり、入らなかったりと・・・。
ただ一般的には、副食を目的に栽培した草また菌類を指します。

“木”から採れる食べ物は野菜ではないです。
よくよく考えてみると、木の葉や木の根は口にした記憶がありません。
木で食べたことのある部位といったら、リンゴやミカンなどの実くらいでしょう。

人が作る草でも、主食として利用されることが多い米や麦、サツマイモあたりは野菜とはいいません。
また、春になると食卓を彩るワラビやゼンマイ、フキは副食ですが、野山など自然に生えるもので山菜として区別されます。

それを踏まえて、野菜の分類方法には色や季節などいくつか種類がありますが、ここではまず食べられる部位を中心に考えてみます。

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おかずにもデザートにもなる果菜類(かさいるい)とは?

代表的な果菜類のトマト、ナス、ピーマン、キュウリ
トマト、ナス、ピーマン、キュウリ

実(み、また果実ともいう)また種(たね、また種子ともいう)を食用とする野菜のことです。

卵が先か鶏が先かと同じで、植物のスタート地点も今一つはっきりしていませんが、とりあえず種としておきます。
草は『種→根→芽→茎→葉→花→実→種』のライフサイクルを数か月~数年単位で繰り返します。
実は花(生殖器官)の一部です。
受粉(雄しべから出る花粉が雌しべにつく)に成功すると、雌しべの下のほうの子房(しぼう)と呼ばれる部分が膨らんで実となります。
種はその実の中にあります。

トマトもキュウリもナスも。
果菜類の多くは実を目的に食べています。
いちいち取り除くのが面倒な種は、実のついでに口にしています。
スイカやメロン、ピーマン、カボチャに関しては、固くサイズが大きいこともありなるべく取り除く方向で対応しますが。

種メインの野菜は、エダマメ、ソラマメ、スイートコーンといったあたりでしょう。
未成熟の時期に収穫した緑色の大豆を、エダマメ(枝豆)と呼んでいます。
乾燥して茶色くなった大豆は、野菜ではなく米と一緒の穀物として取り扱われます。
ソラマメやスイートコーン(トウモロコシ)も同様で、種に関しては成熟・未成熟の違いで穀物になるか野菜になるか変わります

緑色が目立つ葉茎菜類(ようけいさいるい)とは?

キャベツ、ホウレンソウ、タマネギ、ブロッコリーとカリフラワー(葉茎菜類)
キャベツ、ホウレンソウ、タマネギ、ブロッコリーとカリフラワー

葉(は)または茎(くき)を食用とする野菜のことです。
葉のみの場合は、葉菜類(ようさいるい)または葉物(はもの)と呼んだりします。

葉の役割は、太陽の光や二酸化炭素を使って糖を育成すること(光合成)。
茎の役割は、水分と養分を葉や花に送ること。
形は、葉が薄っぺらで茎は細長い。
色は、どちらも白が少し混じった緑が比較的多い印象です。

私が週に一度は必ず食べている葉は、キャベツとレタスです。
どちらも1枚ではなく、全体としてみるとバレーボールのように丸っこい形をしています。
葉物は、花が咲いてしまうと固くなり食べるのが困難になります。
また、1度収穫したらそれまでで、果菜類のように1本の草から何度も採取することはできません。

根もしくは茎のように見えて、じつは葉の付け根という野菜がタマネギです。
買うとき、茎も下のほうについているわけですが、調理するとき切ることが多くあまり食べません。
根深ネギの白い部分も茎はちょっぴりでほとんど葉となります。
ただ、タマネギやネギのことを葉物とはいいません。
バイト先の代表がいうには、キャベツやレタス、ハクサイのことを葉物と呼んでいるらしいです。

ブロッコリーやカリフラワーは、つぼみ(花が咲く前の状態)と茎でできています。どちらかといえば、つぼみメインなので果菜類といえなくもありません。

茎のみを食用とする野菜には、アスパラガスとタケノコがあります。どちらも地下茎の伸びがすごくて、へたに家庭菜園でやろうとすると手が付けられなくなります。

地中で育つ根菜類(こんさいるい)とは?

ダイコン、ショウガ、レンコン、ニンジン(根菜類)
ダイコン、ショウガ、レンコン、ニンジン

根(ね)や地下茎(ちかけい)を食用とする野菜のことです。

根の役割は、水や養分を吸収することと、もう一つ、茎や葉など植物全体を支える役も担っています。ただ、後者の特徴は露地栽培に限り、水耕栽培では支柱によって倒れないようにしています。
「草の根を食べている」と聞くと「そんなに貧しいのか」と同情しますが、「ダイコンのおでんを食べている」と聞くと「俺も食べたい」と欲が出てくるのですから、“根”は言い方ひとつで随分と印象が変わるものです。

茎は、地表より上に出ている地上茎と下に埋まっている地下茎の二つに分けられます。
地上茎は葉茎菜類で、地下茎は根菜類です。
地下茎はぱっと見、根に似ていますが、水や養分を吸収することはできません。あくまで、それらの通り道としての役割を担っています。

根にはダイコンの他に、ニンジン、カブ、ゴボウ、ヤマノイモなどがあります。
地下茎の野菜は、サトイモ、ショウガ、レンコン、ジャガイモなどです。
前回の記事で少し触れましたが、サツマイモ(かんしょ)とジャガイモ(ばれいしょ)は主食にもなるため、性質上は根菜類ですが、農業では穀物・野菜以外の食用作物として捉えられています。

傘のような形をしているキノコ類とは?

シイタケ、ナメコ、エリンギ、マッシュルーム(キノコ類)
シイタケ、ナメコ、エリンギ、マッシュルーム

動物でも植物でもなく、菌類に該当されます。
“菌”という文字が入っていますが、単細胞生物の細菌とは異なり多細胞生物です。同じ仲間にチーズの製造に使われるアオカビやお酒の製造で不可欠な酵母があります。
地表に生えるため、見た目や成長から抱く印象としては植物に近いですが、葉や花は持たず、菌糸と呼ばれる糸状の物質で構成され胞子で増殖します。

最も庶民的なキノコはシイタケです。私は栽培の経験はありませんが、お隣さんが自宅の庭の柵にクヌギ?等の丸太を立てて育てているのを見たことがあります。
日本のキノコの王様といえば“マツタケ”ですが、栽培化にはほど遠く、野菜というよりも山菜に近い位置づけです。

副食を目的とした食べ物ではなければ、キノコ類は野菜に含んではいないでしょう。
また、動物や植物に匹敵するほど市場価値があれば、耕種農業と畜産農業に並び“菌類農業”という業種ができていたかもしれません。

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