農業バイト・パートの業種、職種は?また人口はどのくらい?

一目でわかる産業の分類表
農業は数十ある産業の中でトップに位置(日本標準産業分類を参考に作成)
仕事農業

家族や友達、知人に「今、何をしているの?」「どこで?」「職種は?」など、現在の立場について聞かれたことはありませんか。
または、企業のアンケートやサイトの会員登録等で職業の記入を求められたりすることが・・・。

まず、「産業」とは、モノやサービスの生産・供給等の経済活動を統合したもの。また、その活動を営む事業所の総合体。その事業は非営利も含む。ただし、自家消費のための経済活動は除外。
用語の使い方の例として、「第一次産業」「地場産業」「不動産業」などがあります。

第一次産業」という言葉は、学校の社会の授業で習いました。
この産業の意味は、動物や植物をなるべく元の形を維持した状態で使う経済活動
日本では、農業、林業、漁業の三つを「第一次産業」と指定しています。
衣食住の中で一番重要なのが食事です。
これなしでは、「第二次産業」の建設も製造も、「第三次産業」の情報通信も小売も何も始められません。
「第一次産業」だけ農林水産省という専門の行政機関があることからも、その重要性をうかがい知ることができます。

スポンサーリンク

農業の業種は大きく5つ

農業を業種で分類した一覧表
生産物や業務内容などの違いで農業を五つに区分けした表(日本標準産業分類を参考に作成)

業種」とは、そのまま産業の種類
農業だけでは、植物を作っているのか動物を育てているのかよくわかりません。産業をよりわかりやすく具体的に分類したのが業種です。

・耕種農業(こうしゅのうぎょう)
耕種の意味は、耕した土地に種を蒔いて植物を育てること。コンブやワカメも一応植物ですが、こちらは漁業になります。
私のアルバイト先では、トマト、キャベツ、ジャガイモなどの野菜を作っていました。よって、より具体的な業種名は「野菜作農業(やさいさくのうぎょう)」となります。

・畜産農業(ちくさんのうぎょう)
畜産の意味は、陸上あるいは空中で生きる動物の飼育。クジラや魚類など水中で生きる動物は漁業なので対象外。
言葉の使い方が畜産と混乱しやすいものとして酪農がありますが、こちらは主に牛乳の生産を対象としています。
マウスやモルモットなどの実験用動物、カブトムシやクワガタなどの観賞用動物は、畜産類似業に該当します。

・管理または補助的経済活動
農産物(農作物と畜産物)の生産、出荷以外の農業の実務。
人事、企画、広報、宣伝、経理、清掃、修理、保安など。
農家が生産と出荷に専念できるよう後ろから支える事業所。

・農業サービス業
耕種農業や畜産農業との違いは、請負か否か。
イメージとしては、耕種農業事業者(農家)が元請けで、農業サービス業事業者は下請けとなります。
農家から育苗、耕起、植付などの工程を1種類以上請負。
事業者の一例として、育苗センターやライスセンターがあります。

・園芸サービス業
農業サービス業と同じく請負で、植樹や花壇の手入れなどを行う。
造園業あるいは植木業ともいう。

農業の職業は大きく4つ

農業に従事している人の具体的な職業名
生産物や業務内容などの違いで農業の職種を四つに区分けした表(日本標準職業分類を参考に作成)

「あなたの職業を教えてください」という質問は、自分と相手との関係により意味が変わってきます。
たとえば、初めて会う20歳前後の若い男性の場合。
必ずしも何らかの職に就いているとは限りません。
会社員以外に、大学生、専門学校生、フリーター、個人事業主、無職などいくつか考えられます。
そこで、このときの「職業は?」の意味は「あなたは平日に何をしていますか」となります。
そもそも、労働の対価として金銭を得る仕事のことを職業というのであって、本来は相手が何をしているのか聞くのにふさわしい言葉ではありません

話し相手が会社員だとはっきりわかっている場合の「職業は?」の意味は、「あなたの職種(または職業名)は何ですか?」となります。
業種が産業の種類なら、職種は職業の種類です。
弁護士、小学校教員、新聞記者、レジ係、保険代理人、土木作業員、荷物配達員など日本全国にある職種の数は17209にものぼります。

農業バイトをしていた当時の私が見知らぬ人に職業を聞かれたら「アルバイト」と適当に答えていたでしょう。
同居中の家族には隠す必要もないので正直に「トマト栽培」と話していましたが、より正確に伝えるのであれば「ハウス野菜栽培作業員」となります。

2021年農業のバイト・パートの人口はどのくらい?

2021年の農業就業人口(臨時雇いを除く)
出典:「令和3年農業構造動態調査結果」(農林水産省) (https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukou/attach/pdf/index-1.pdf) (2021年10月4日に利用)

基幹的農業従事者というのは、個人で農業を行っている人。自営業者あるいは個人事業主。フリーランスという言葉は使うのは少し違う?おそらく、ここには自営業者の配偶者(妻もしくは夫)も含まれているのではないかと思われます。
この数が約130万人。

役員・構成員は、団体(法人)の理事、監査役など経営にかかわっている人。(使用人である社長や専務は含まない?)
この数が約8万人。

常雇い(じょうやとい)は、7か月以上の雇用契約を結んだ労働者(外国人技能実習生も含む)。
この数は約15万人
1年半で契約を交わした当時の私はここに含まれます。
この数字では、正規、非正規それぞれの労働者がどれくらいの数なのかわかりません。また、7か月未満の労働者数が不明です。

そこでもう一つ別の表で。

2021年の農業の臨時雇いの人口
出典:「令和3年農業構造動態調査結果」(農林水産省) (https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukou/attach/pdf/index-1.pdf) (2021年10月4日に利用)

臨時雇いとは、常雇い(7か月以上)以外の日雇い、1週間・1か月の期間契約、春夏秋冬の季節限定など短期間労働者を指します。
ここは、すべてパートやバイト、臨時社員などのパートタイム労働者が対象です。
この数が約130万人
基幹的農業従事者とほぼ同じ数で、かなり多い印象を持ちます。

日本の人口は約1億2500万人。
街を歩いている人の100人に1人は農業のバイト・パートをしている可能性があります。
これが多いのか少ないのか今ひとつピンときませんが、コンビニやスーパーと違い、「農家で働いている」と言う人と出会うことはめったにないので、農業バイト・パートはレアな体験といえます。

スポンサーリンク

コメント